住宅の購入は一生にそう何度もあるわけではありません。「内覧してみたい!」と思う住宅があれば、行ってみましょう。今回は、埼玉県で40年以上、不動産販売を手がける明邦興産が、一般的には知られていない、「不動産会社だからこそ教えられる新築戸建てのチェックポイント」をお伝えします。
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目の前に住宅があれば、すぐ中に入ってみたくなるでしょう。しかし、ちょっと待って。建物で大切なのは、「基礎」です。
まずは基礎や建物周りを見ながら、ゆっくり回ってみましょう。基礎では、コンクリートが均一に固まっているか、色ムラはないか。新築の場合、ひび割れはあってはならないものですが、こういった不具合がないかを確認していきます。
ここで、基礎に防水施工が施されている住宅なら、それは質の高い住まいといえそうです。もし、基礎のコンクリートに防水がされておらず、むき出しのままだった場合。ひび割れができると、そこから雨などの水分がコンクリート内部に入り込んでしまいます。
内部に入った水は奥の鉄筋に到達し、なかでサビをつくります。こうなると、基礎の寿命が短くなり、ひいては建物全体の状態にも影響を及ぼします。
コンクリートに水が浸入しにくいような防水施工の基礎であれば、建物の長命化が図れます。
基礎を確認する際には、外構(外回り)との間に、土が見えるすき間「縁切り」があるかもチェックしましょう。「縁切り」があると、コンクリートのひっぱりを要因としたひび割れをできにくくします。さらに、土が見えていることで防蟻対策になるのです。
基礎をつくる際、床と立ち上がり部分のコンクリートは別々に作ります。ですからどうしても立ち上がり部分と床との間にすき間ができてしまい、そこからシロアリが入ってしまう可能性があるのです。どんな一戸建てでもこのリスクはゼロにはできません。
もし、「縁切り」があれば、シロアリが侵入したことが目でわかるため、駆除がしやすくなります。土の露出が気になる場合は、土が見える箇所にガラスビーズや砂利を敷くとよいでしょう。シロアリは、ビーズのような球体には侵入しづらいようです。
外壁を見ていくときは、つなぎ目となる「目地」(めじ)に注目しましょう。ここにしっかりとしたコーキングが使われていないと、雨水が内部に侵入しやすくなってしまうのです。
なかには、塗料の使用量を少なくして、建築コストを抑えている住まいがみられます。価格は安いかもしれませんが、長期的な視点でみると、常に目地の状態(ひび割れがないかなど)に気を配る必要がありますし、ひび割れを見つけたらすぐにメンテナンスをしなければならなくなります。適切な修理時期を逃してしまうと、雨水が外壁から内部に浸入してしまいます。こうなると、逆に修繕コストがかかってしまいます。
塗料がたっぷり塗られているかは、目地のふくらみを見るとわかります。ふっくらとした目地であれば、安心です。
建物周りを見たあとは、室内にはいってみましょう。間取りや室内のデザイン、空間の広さに目が行きますが、大切なのは設備です。まず、手元に図面を用意して設備からチェックしていきましょう。
次のような点を見ていきます。
・コンセントの数
室内のどこにコンセントがあるかを確認しましょう。たくさんあるほど、利便性が高まります。高さも確認しましょう。低い位置だけでなく、高い位置にもあると、使い勝手がよいでしょう。クローゼットの中にもあると、コードレス掃除機などを充電でき、より便利です。同様にUSBの差し口も各部屋にあると、暮らしやすさを感じるでしょう。
・照明器具やエアコンの位置
各部屋のどこに照明器具が取り付けられるかを確認します。エアコンの位置もチェックしておきましょう。
・ドアや引き戸の開閉
向きが図面と同じかを確認し、その向きで手持ちの家具を置いても生活に支障がないかをチェックしましょう。
・内装材や壁面のコーナー部分
内装材はよほどこだわりのある方以外、特注品よりもむしろ廉価品をお薦めします。誤ってキズを付けたら交換しますが、特注品の場合、手に入らないことがあるからです。そうなると、室内全体を張り替えなければならない可能性があります。廉価品であれば、一部の張り替えで済みます。
・エコキュート
エコキュートがある住まいはお薦め。光熱費の削減に大きく貢献するからです。さらに、貯湯式のため、災害時には水をためるタンクとしての役割も期待できます。
生活していく上で気になるのは、「収納率」ではないでしょうか。収納率は床面積の最低10%は欲しいところ。最近では、家具を置かずに部屋をすっきりみせる暮らしがブームです。家具を置くと、室内で使用できるスペースも減りますし、できるだけ収納率が多い住まいを選ぶようにしましょう。
収納は左右のサイズだけでなく、奥行きも大切。奥行がある収納は、季節ごとに前後を入れ替えたり、普段使用しないものを奥に入れたりすることで、日常のものが取り出しやすくなります。
また、壁面収納があると、インテリアとして「見せる収納」のお部屋づくりができます。壁面を収納場所として利用できる住まいは、地震に強いといえます。それは、利用する壁が「耐力壁」という名称で、建物の構造部分に当たるからです。耐力壁は、壁そのものが建物を支える構造なので、耐力壁が増えるほど、地震への強度が増すのです。
床下収納もあると便利。床下収納があるなら、そこから配管などが点検できるような構造になっているかも確認しましょう。配管の状態を確認できる構造の住まいは、長く住み続けるための配慮がなされています。
現地で内覧する際によく確認すべき点といわれているのは、以下のポイントです。当社はあえて、今回、こういった「よく言われているチェックポイント」を最後に提示しました。これまでお伝えしてきた1から5までのポイントを確認したうえで、基本的な以下のポイントもチェックしておきましょう。
●周辺環境
建物はリフォームできても、周辺環境は変えられません。車がよく通る道路がないか、通風や採光はどうか、学校やスーパーまでの距離など、住まいの周辺を、地図を見ながら歩いて確認しましょう。時間帯を変えて行ってみると、昼と夜では雰囲気が違うことも珍しくありません。
●災害リスク
地盤はどうか、水害リスクはどうか。以下のハザードマップポータルサイトが役立ちます。
https://disaportal.gsi.go.jp/
購入したい物件の情報を見ておきましょう。
●水回りの使い勝手
最近では、夫婦二人で調理をすることが多くなっているのではないでしょうか。十分な空間があるか、また生活動線がスムーズか、お風呂はお子さんと一緒に入っても十分なスペースがあるかを確認しておきましょう。
●庭や駐車場のスペース
庭で十分、お子さんを遊ばせたり、花や野菜を植えられたりするようなスペースがあるか、また、今の車を駐車できる余裕があるかを確認します。車が入らず、買い替えたという話は珍しくありません。
●境界線
通常はきっちりと境界線が設けられているものですが、まれにあいまいなまま、住まいが建てられていることがあります。境界線の位置や道標などを確認しておきましょう。
●建物構造
建売住宅は内部の構造を見ることができません。そこで、どのような点に注意を払って設計されているか、構造はどんな点を強みとしているのかを営業担当者に聞いてみましょう。アフターサービスなど、住んだあとの対応も聞いておきたいものです。
いかがでしたか。意外な箇所のチェックが必要だとお分かりになられたのではないでしょうか。
当社では、上尾市と川口市で、上記の条件に合致する分譲住宅を販売しております。